相談したいときに、相談にのってもらえる常勤者でなくては、チューターとしては不十分です。綿密な情報交換をするうえでも、常勤チューターがベストです。さて、なぜこのようにチューター制が注目を浴びているかといいますと、おおまかにいって、由は二つあります。一つは、大学入試はますます情報戦化してきて、プロフェッショナルな受験指導、情報収集の専門家が必要になってきたからです。教科の講師は、授業の準備、出題傾向の分析などに集中するため、意外と新しい入試情報にはうといのです。そこで、入試情報を逸早く入手し、ニーズに合わせて、受験生に伝え、進路指導に活かす専門家が必要なのです。さいわい、大学側もこうした広報には、積極的に力を入れています。活動的なチューターには、大学側から積極的な働きかけがあるほどです。また、チューターが注目をあびる、もう一つの理由は、大学受験における「コーチ、トレーナー」の必要性です。模擬試験の結果などと照合し、勉強のペース配分、精神的なメインテナンス役として、受験生か、集中力を受験に向けるサポートをします。現役合格者が増えている背景にも、このチューターの力が見え隠れします。
救済塾に来る生徒を教えるのは、普通の子どもを教える倍以上の労力が必要なので、経験豊かな講師でないと、なかなか上手に教えることができない。自分の子どもの学力が低いと、つい個別指導や家庭教師のことを考えてしまう親も多いのではなかろうか。しかし、このような子どもは、学生アルバイト教師をつけても、まず効果はない。よほど教えることに慣れていないと、低学力の子どもを教えるのは不可能である。有名大学の学生は、自分で挫折した経験がほとんどないため、できない子どもの心理がつかめないことがある。つまり、「なぜこんな易しいことがわからないのか」が、わからない。「やる気がないのなら勉強しなくていいのに」といった極端な考えに走ってしまうアルバイト学生もいる。塾に来たり家庭教師についたりするのは、何とかしたい気持ちが生徒本人にも少しはあるからだということに気がつかないのが、経験の浅いアルバイト学生の特徴でもある。
予備校で六時間、家で三時間、通学途中で一時間暗記物をやれば十時間です。私の予備校では、何回か休憩を挟み、十二時間ぶっ続けで授業をするトレーニングをやっています。最初は誰もが疲れ果てた表情をみせますが、そのうち体が慣れ、涼しい顔で机に向かっています。たとえば、一流大学の医学部を志望している人は、それぐらいやらないと、合格はおぼつきません。勉強漬けと嘆くが、現役高校生に比べ、それでも時間に余裕があるのです。睡眠時間などを除いた五、六時間をいかに使うか。私は、読書を勧めています。勉強に行き詰まって能力に限界を感じたとき、将来への疑問がわいたときに、書物から学ぶことが多々あるからです。目の前の志望校選択で悩んだときにも、書物に込められた著者の思想や人生観によって選択幅が広がり、意外な進路を見いだせる場合も少なくありません。受験の最初の勝負どころは、この時期に志望校を明確に絞り込むことに尽きます。読書を通じてヒントをつかみ、将来の進むべき道が決まれば、迷っている志望校も自ずと絞られるものです。何よりも書物の面白さを知ることは、黙して独り活字を読み続ければ、机に座り続ける習慣が身につく利点があります。その習慣は、そのまま受験勉強に長い時間集中できる基礎づくりに結びつくでしょう。
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