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木造建築の固有周期についても概観しておこう。鉄筋コンクリート造のアパートとか、鉄骨鉄筋コンクリート造の高層ビルなどは、ごく特殊なものを除くと、だいたい構造様式が一定しているので、固有周期も見当がつけやすい。しかし木造建築は、住宅の間取りや壁のありかがさまざまであるように、構造様式もたいへん多種多様なので、たとえば木造二階建てと限ってみても、固有周囲をすぐ概算することは到底できそうにない。日本の木造建築は、ほぼ終戦時を境として、構造様式の傾向が一変した。

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旧来の民家構造の多くは、屋根が重く、柱や壁が少ない、つまり内部の空間の広いものだったので、完全に柔構造であったとみなせる。だから、固有周期はかなり長く、〇・三秒から〇・一五秒、平均すれば〇・四秒くらいのものが多い。戦後の木造建築は、だいたいに屋根は軽く、柱や壁が多くて、住空間を小さく区切った構造様式に変化してきている。つまり構造体としてはかなり堅く、従前よりはるかに剛なものとなってきていて、固有周期も〇・二四秒くらいのものが多くて、四階建ての鉄筋コンクリート造なみである。あとで詳しく述べるように、木造建築の震害とその固有周期とは、たいへん密接な関係にある。だから、たとえば終戦前の被害率のデータに基づいて、現状での被害を想定するといったように、戦前・戦後の木造建築を同列に論じることはできない。

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